キッザニア(KidZania)
3ヶ月で18000人の応募から優秀な450人のスタッフを採用したベストな方法とは?
キッザニアは子供達の職場体験ができる施設運営をしています。
2015年にスタッフを450人採用する必要がありました。
多くても5000人くらいの応募数と予想していた中、結果18000人の履歴書が届くことになり
選考方法に悩んでいました。どのような方法で採用をしたのか?

どんな人材に入社してほしいかの整理

キッザニアは「チャイルド・ディベロップメント・スペシャリスト職」と「マネージャー職」
の2種類でのポジションを募集しました。
応募者たちのこれまでの経験や学歴にはあまり注目せずに人柄や子供たちと働くことができる能力があるかどうかということを最も重要視していました。

具体的にはキッザニアが求める理想的なスタッフとして、
・柔軟性
・親切さ
・寛大さ
が求められました。
上記に加えて当然子供を好きであることは重要で、子供大人いずれに対しても適切な話し方ができ、世の中を良くしたいと思う熱意がある人を求めていました。
マネージャー候補者には上記に加えて、分析力とリーダーシップに優れた賢さが求められました。

本当にこの短時間でこのような優秀な人材をみつけることができるのだろうか...?

PR活動としてはありとあらゆる効果的な媒体をリサーチし、SNSや大学のサイト、就活イベントやメール配信等、学生が採用情報を探すのに使う場所へ採用情報を掲載していました。

面接前にすでに体力の限界…

10人以上のメンバーが採用チームに加わり、壮絶な採用フローが始まりました。

「履歴書に目を通し、電話をかけ、面接へ案内する」という単純なルーティンワークをひたすら繰り返していました。
オフィスの全フロアに「やる気を出そう!頑張ろう!」というようなポスターを掲示し、毎朝8時に出社しては夜11時まで休みなく働き続ける。
このようなスケジュールで丸々1ヶ月を過ごしました。

「いい人を採用したい」「でも時間と工数をかけたくない」という難しい課題に直面してしまい、メンバー全員で途方にくれていました。
そのため短期間での大量採用をよりシンプルに対応するために、選考のための様々なツールを試すことに決めました。

その中で見つけた最適な方法とは?

一番の課題は多数の応募者を短時間でスクリーニングできる方法を探していました。
その中でたどり着いた最善のツールがビデオインタビューのサービスでした。
オンライン面接も同時に検討はしていましたが、候補者と面接官が同時にオンライン状態である必要のないVCVを選びました。
その中でとくに拘った点としては...

ビデオインタビューの質問や準備や回答時間が細かくて設定できるのでかなり作りこみました。
①時間制限はかなり厳しく!
1分以内で回答しなければならないように設定

②10の質問でスクリーニング
大きく2つのカテゴリーにわけて質問を決めました。
1点目は、「志望動機」「その大学と選考を選んだ理由」「学生時代の1番の成果」などを回答してもらい、幼少期からどのような価値観を大事にしてきたか?応募者が何を大切にしているのか?というお互いのカルチャー、マインドフィットを確認しました。

2点目は、論理的思考を試す質問を設定しました。
例えば、「あなたが持っている9枚のコインのうち、1枚は偽物です。秤以外の道具を使わずに重さで偽物を探すにはどうすればよいですか?」というような質問に答えてもらいました。
このような質問をすることで応募者の分析能力レベルや緊迫した状況での対応スピードをチェックすることができました。
さらに「1台のバスに何羽のニワトリが入るでしょうか」といった正解が1つではない問題を出題しました。
応募者の状況を読み解く能力やユーモアセンスを評価することができました。

回答の内容は勿論ですが良かった点としては、ビデオインタビューを通じてみれる応募者のジェスチャーや表現から人柄を見ることができたという点です。
中には自信のない学生のビデオ撮影中に、後ろから正しい答えを教えようとする両親たちの声が聞こえたという面白い動画もありました。
これは文章からではわかる事のない非常に良い点でした。

③ビデオ面接の撮影方法をわかりやすく伝える

当時ビデオインタビューという採用方法はまだ新しいものだったため、正しくビデオを撮影する方法を応募者へ伝える必要がありましし、中には新しいため抵抗感をもった学生もいたと思いますがその点も選考の一部としていました。
新しいことやウェブカメラの前で話すことを恥ずかしがっていたら、子供達と一緒に働いた時もどうなるかわかりませんからね。

私たちはこの方法を使って、18000人の応募者から5000人にまで絞りました。
そして合格者を次のステップへ進めました。

ビデオインタビュー選考後のグループ選考会

私たちはビデオインタビュー を合格した応募者たちを、次のステップとしてグループ選考会に参加してもらいました。

このステップの目的としては、与えられた課題に対してチームの中での振る舞いをチェックすること、チームメンバーと問題なく取り組むことができるかどうかを理解することでした。

キッザニア全体のコンセプトとして、スタッフが郵便配達員から消防士、パイロットなど様々な仕事の役をなりきることで成り立っています。
子供達はスタッフが少しでもぎこちない対応をするとすぐに「ニセモノだ!」と感じてしまいます。そのため、今回の選考はスタッフに対して、
「有名なおとぎ話にでてくる〇〇を演じてください」という課題に対してそれぞれ違った役を与え即興の演技を演じてもらうことを選考の課題としました。
約1000人(応募者の25%)がグループ選考会を通過

最終選考は非常に簡単に実施できた

最終選考はディレクターたちが最も優秀な面接官として個人面接を実施しましたが、あまり時間はかかりませんでした。
これまでのステップとVCV上にあるビデオインタビューを事前に見る事が情報があり、評価メモにも「対面でどの質問を聞くべきか?」「抜けている内容、深堀するべき質問」などを共有していました。

今回私たちがビデオインタビューを通じた選考で合格した450人のほとんどが今もキッザニアで継続勤務しています。
これだけの短期間で優秀なスタッフを選び出すにあたり、ビデオインタビューを導入した選考ステップはとても効率的だったと確信しています。
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